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ブシロードでは1月25日(水)にフロアルール改訂を予定しております。際しまして、開発のホリP執筆の特設コラム「はじめまして、フロアルールです。」第二回を掲載致しました!ぜひご覧ください。

2017年01月18日

【特設コラム】はじめまして、フロアルールです。(第2回)

皆さん、おかえりなさいませ! ブシロードのホリPです!
短期集中連載コラムの第2回をお送りいたします。

「フロアルール」というのは、大会を開催したり参加したりするときの約束事のことで、ブシロードでは、大事なポイントをまとめた「基本フロアルール」と、詳細な内容が書かれている「応用フロアルール」の2つを用意しています。

本コラムでは、1月25日(水)に改訂するブシロード応用フロアルールの改訂内容とその目的について紹介させていただきます。途中で休憩しながらでOKです! 肩の力を抜いてご覧になってくださいね!

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★対戦時間
普段ファイトで遊ぶ時は、例えば30分以内に終わらせないといけない、といったような決まりはありません。
ですが、大会に参加すると決まって「対戦時間は○○分」といった中でファイトすることになります。

どうして、大会になると対戦時間を設定する必要があるのでしょうか?
その大きな理由として、「決まった時間までに大会を終わらせる必要がある」ということがあります。

例えば、17時から始まるショップ大会で4回戦をすることになったとします。
ほとんどの対戦が30分で終わったとしても、どこかの対戦が1時間かかってしまったとすると、次の回戦が始まるのはそれ以降になってしまい、たくさんの参加者がその間待ちぼうけになってしまいます・・・。
もし各回戦で1時間かかったとすると、大会が終わるのは21時。これでは帰宅時間や場合によっては閉店時間に間に合わなくなってしまいますので、スタートの時間を早めたり、もっと短い時間で各回戦を終わらせたりしなければいけません。

こういったことにならないように、事前にスケジュールを計画できるように、大会では対戦時間が設定されます。対戦時間が設定されると各回戦にかかる時間が分かるので、回戦数を決めると大会がどれくらいの時間で開催できるかも分かるようになるんですね!

それでは、改定後の対戦時間の項目を見てみましょう。

対戦時間(抜粋)

各TCGに於いて推奨される対戦時間は以下のとおりです。

「ラクエンロジック」 30~40分
「フューチャーカード バディファイト」 20分
「カードファイト!! ヴァンガード」  25分
「ヴァイスシュヴァルツ」  30分
「ChaosTCG」  40分

対戦時間が設定されている場合、ファイターは時間内に対戦の決着をつける必要があります。また、運営スタッフやジャッジは時間内に対戦の決着をつけることができるように、必要に応じて当該のファイターを促すことができます。

主催者の判断で、以下の例のように、適切な範囲内で対戦時間を変更する、または無制限にすることが認められます。その場合は、事前に公表する、または当該のファイターに対して告知することが求められます。

「初心者が参加する大会のため、各回戦の対戦時間を10分間増やす。」
「優勝者を決める決勝戦のため、その対戦のみ対戦時間を無制限にする。」

対戦を開始するまでに、各ファイターはTCGごとに規定されている「ゲームの準備」の手順に沿って準備を行います。

※内容は改訂時に修正される可能性があります。
※ヴィクトリースパークに関する記載は本文から巻末の参考に移行いたします。

まず、「どれくらいの時間があればほとんどのファイトは決着できているか?」という点を、各地域の大型大会をはじめ最近の各TCGの公認・公式大会などの状況から確認して、「ラクエンロジック」の推奨する対戦時間を30分から30~40分に、「カードファイト!! ヴァンガード」の推奨する対戦時間を20分から25分に変更しました。

また、ファイター・運営スタッフ・ジャッジを含めて大会の参加者全員が「対戦時間内にファイトの決着をつけること(つけてもらうこと)」への意識を持って参加いただけるように、「対戦時間内にファイトを決着させるために行うべきこと」についての記載を明確にしました。

この対戦時間は引き続き推奨という位置づけですので、大会を主催される方は「大会時間に余裕があるので対戦時間を予め増やす」とか、「予選と決勝で対戦時間を変える」といった対応を取っていただくことも可能です!

普段と異なる感じで大会をする際は、お知らせをしていただいて周知いただけますようお願いいたします!

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そしてもう1点、「ヴァイスシュヴァルツ」や「ChaosTCG」のファイトを開始する時の準備の状態について、今回の改訂を機に明確にすることにしました。これはフロアルールの変更というよりは、大会進行についての運用上の変更と考えていただいたほうがわかりやすいです。

「ヴァイスシュヴァルツ」や「ChaosTCG」では、「はじめてください!」「よろしくお願いします!」「最初はグー!」といった感じで、ファイトが始まってから「先攻後攻の決定」や「手札の入れ替え」を行うというのが昔からの流れになっています。

これを、「先攻後攻の決定」と「手札の入れ替え」が完了した状態から、「はじめてください!」「よろしくお願いします!」「先攻、スタンド、ドロー!」といった流れに変更します。こちらは、昨年12月の全国決勝大会でも試行的に実施させていただきました。ご協力いただきありがとうございました!

改定後しばらくの間はとまどってしまうケースが発生してしまうかと思います。ショップ大会などに参加する際や大会を運営いただく際にご心配をおかけしてしまいますこと、申し訳ございません。長く続けていた手順の変更のため、春夏のショップ大会や公式大会を通じたスパンでの浸透にご協力をお願いさせていただけますと幸いです。

この変更により、「カードファイト!! ヴァンガード」など他のブシロードTCGとも足並みが揃って、「はじめてください!」「よろしくお願いします!」「先攻、スタンド、ドロー!」といった流れがよりわかりやすくなるものと考えております。

また、「先攻後攻の決定」と「手札の入れ替え」をファイトの開始前に行える分だけ、対戦時間を実際のファイトの進行に使うことができるようになります。たかが30秒ですがされど30秒という場面もありますので、これで1件でも時間切れとなってしまうファイトが少なくなると嬉しく思います!

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対戦時間に付随する項目として、エクストラターンについても少しだけ追記を行います。

全体としての取り扱いが変わるというものではなく、ブシロードの大会に於いて特に言及がない限りエクストラターンは設定されない、という点は今後も変わりません。大会主催者がエクストラターンを実際に設定することになった際に、よりわかりやすく告知ができるように、エクストラターンの例を記載することにしました。

エクストラターン

対戦時間が終了した際に判定を行う場合、追加のターンを行うことがあります。このターンのことをエクストラターンと称します。

大会に於いてエクストラターンが設定されている場合のみ、個別に規定されたターン数のエクストラターンが行われます。

例えば、エクストラターンが1ターンである場合、対戦時間が終了した時点のターンを基準のターン(0ターン目)として、その次のターンである1ターン目(次の相手のターン)が終了するまで対戦を行います。同様に、エクストラターンが3ターンである場合、3ターン目が終了するまで対戦を行います。何らかの理由で同じファイターが続けてターンを行う場合、経過ターン数のカウントは行われません。

ただし、各大会に於いて個別に規定やガイドラインが定められている場合は、その内容に従ってください。

※内容は改訂時に修正される可能性があります。

エクストラターンとは、ファイトが時間切れになった際に、判定で勝敗を決定することを目的に追加で行われるターンのことです。トーナメントなどの勝敗を決定する必要性が高い大会などで設定されることがあります。

これにより、大会の案内で「エクストラターンはありません」「エクストラターンとして1ターンを設定します」といった簡単なアナウンスができ、もしトラブルになった際もこの項目を参照することで解決しやすくなると考えています。

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また、こちらも直ちに取り扱いが変わるというわけではありませんが、スロープレイの罰則に関する内容について記述の調整を行うことにしました。

スロープレイを行った

すべてのファイターには適切な速度で対戦を行い、時間内に対戦を終わらせる義務があります。過失・故意に関わらず、スロープレイを行っていると判断される場合、そのファイターに対して状況に応じた罰則が適用されます。

第1節 その状況が軽度な場合

〓罰則基準〓
レベル1: 口頭注意
レベル2以上: 口頭注意~警告

「長く考え込んで、ゲームの進行が止まっていた。」
「カードの選択に悩んで時間をかけていた。」

故意ではないものの、それがスロープレイに繋がっていると判断される場合、この罰則が適用されます。

第2節 その状況が中度な場合

〓罰則基準〓
レベル1: 口頭注意~警告
レベル2以上: 警告~マッチの敗北

「状況が何も変わっていないのに相手のドロップゾーンを何度も確認していた。」
「シャッフルやカードの選択に不必要に長い時間をかけていた。」
「対戦時間が残りわずかであるにも関わらず、適切な速度で対戦を行っていなかった。」
「ジャッジや運営スタッフの許可無く席を立った。」

対戦に不必要な行為を行ったり、対戦時間内に決着をつけようとしていないと判断される場合、この罰則が適用されます。

第3節 その状況が重度な場合

〓罰則基準〓
レベル1: マッチの敗北~失格処分
レベル2以上: マッチの敗北~失格処分

ジャッジから何度も指摘があったにも関わらず適切な速度で対戦を行わなかったり、故意にスロープレイを行っていると判断される場合、この罰則が適用されます。

※内容は改訂時に修正される可能性があります。

この調整は、従来の項目を状況ごとに分けて記載することで、すべての大会参加者がスロープレイに関して正しく理解し、ジャッジが適切にジャッジングや啓蒙をするための指針とすることを目的としています。

対戦時間はファイター同士でお互いに共有するものです。対戦時間内にファイトの決着をつけるために、「一方のファイターが時間を使いすぎる」のはもちろん、「両方のファイターが時間を使いすぎる」ことや「決着に向けてファイトが適切な速度で進んでいない」といったことにも注意してください。

例えば、対戦時間が「30分」のファイトで、「15分」経った時点でファイトが「50%」進んでいたとします。一見、間に合うようなペースかな?と思いますが、見方を変えるとこの後ちょっとでもペースが遅くなると間に合わなくなってしまうとも言えます。
ですので、ファイターの皆さんは対戦時間の少し前まで(30分だったら25分とか)を目安に決着するようにファイトを進めることを心がけてください。運営スタッフやジャッジは、ファイトの進行のペースを見て間に合わなくなるなと感じたら、ギリギリになる前にペースを上げるように伝えてください。

こういった心がけひとつでも、時間切れになるファイトは少しずつ減らすことができると思います。もちろん、カード開発としても「時間がかかりすぎるデッキばかりにならないようにする」とか「組み合わせによって極端に遅くなる場合がないか」といったことなどに注意が必要です。今後のカード開発に於いても、検討するべき点のひとつとして引き続き取り組んでまいります。

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★チーム戦
ブシロードTCGでは数年前から特にタッグ(2人組)やトリオ(3人組)などのチーム戦で大会を行うことが増えてきており、チーム戦に関するガイドラインの必要性が高まってきていました。そこで、チーム戦の大会に参加する・大会を開催するにあたっての基礎知識として知っておいてもらいたい内容をまとめることにしました。

チーム戦

この部ではチーム戦の概要について取り上げます。チーム戦に関する詳細については、各大会に於いて個別に定められている規定やガイドラインに従ってください。

第1章 チーム戦の種類

第1節 タッグファイト

2人でチームを結成し、チーム同士でファイトを行う大会を総称してタッグファイトと呼びます。

チームの人数は2人です。同一の大会に於いて、個人が複数のチームに所属することはできません。チームに所属するメンバーの1人以上が大会に参加し続けることができなくなった場合、そのチームは大会からリタイアしなければなりません。

チームに所属するメンバーは、大会参加時にチームの順番を決定する必要があります。チームの順番には「先鋒」と「大将」があり、「先鋒」どうし、「大将」どうしでファイトを行います。特に指定がない限り、「大将」であるメンバーがチームの代表者となります。

第2節 トリオファイト

3人でチームを結成し、チーム同士でファイトを行う大会を総称してトリオファイトと呼びます。

チームの人数は3人です。同一の大会に於いて、個人が複数のチームに所属することはできません。チームに所属するメンバーの1人以上が大会に参加し続けることができなくなった場合、そのチームは大会からリタイアしなければなりません。

チームに所属するメンバーは、大会参加時にチームの順番を決定する必要があります。チームの順番には「先鋒」と「中堅」と「大将」があり、「先鋒」どうし、「中堅」どうし、「大将」どうしでファイトを行います。特に指定がない限り、「大将」であるメンバーがチームの代表者となります。

第2章 チーム戦の原則

第1節 チーム名の使用

主催者が許可する場合、チームはチーム名を決めて使用することができます。ただし、公序良俗に反する・大会進行に影響を及ぼす可能性がある等、不適切なチーム名を使用することは認められず、このようなチーム名を使用した場合は、罰則の対象になります。

第2節 チーム内の意思疎通

チーム内での意思疎通の可否については、各大会に於いて個別に定められている規定やガイドラインに従ってください。なお、特に明記されていない場合は、「意思疎通を認めない場合」として扱います。

第1項 意思疎通を認めない場合

対戦中は、ジャッジが認める場合やアドバイスを含まない簡潔な意思疎通を除き、メンバー同士でアドバイスを含む意思疎通を行ってはいけません。

第2項 意思疎通を認める場合

対戦中であっても、メンバー同士でアドバイスを含む意思疎通を行うことができます。ただし、他のメンバーのカードに触れたり、代理でカードを操作して対戦を進行することはできません。

対戦中に一度対戦エリアから離れたメンバーは、その対戦が終わるまで、ジャッジが認める場合を除き、メンバー同士でアドバイスを含む意思疎通を行ってはいけません。

第3節 罰則の適用範囲

ジャッジは、必要であればチームに対して罰則を与えることができます。チームに与えられた罰則は、同時に所属するメンバー個人に対して与えられたとしても扱われます。

※内容は改訂時に修正される可能性があります。

チーム戦の種類に関しては、これまでに大会で行われていたものを書き起こした内容になっています。勝敗の決定方法などの細かなルールは大会ごとに異なることが多いため、フロアルールには記載せず、各大会の規定を見ていただくという形にいたしました。このコラムではファイト中の意思疎通について触れておきたいと思います。

ここでの意思疎通とは、「そっちはどう?――ちょっと厳しそうだね。でも頑張れ!」「ありがとう!なんとかやってみるよ!」とか、「この場面、AとBどっちを使ったらいいかなぁ・・・どう思う?」「うーん、私はAの方がいいと思うな」といった感じで、ファイト中にメンバー同士で言葉を掛け合ったり相談したりすることを指します。

「意思疎通を認めない場合」は、相談やアドバイスにあたるような発言をファイト中にしてはいけません。ちょっとした言葉の掛け合いについては明確な線引きをするのは難しいですが、これまで同様に、ファイトの進行を止めるような雑談はNG、「負けたー!」「マジかー!」といった自然と出るような言葉はOK、といった取り扱いになると考えています。

「意思疎通を認める場合」は、WGP2016で実施された「カードファイト!! ヴァンガード」のトライスリーファイトのようなケースです。他のメンバーへのアドバイスはOKですが、他のメンバーの代わりにカードを動かしてファイトを進める、といったことはNGなので注意しましょう。この点が守られていれば、みんなで協力することを楽しみながらファイトができます!

とはいえ、自身のファイトを必要以上に中断したり、あまりに頻繁にまたは長時間話し合ったりすることは、スロープレイに繋がります。対戦時間が設定されている・いないに関わらず、対戦相手が待ちぼうけにならないように心がけてくださいね!

対戦相手のチームと自分のチームが揃っているからできるのがチーム戦のファイトです。どちらの場合であっても、普段はなかなかできないチーム戦なのですから、そこに揃っているみんなが楽しめるファイトを目指していきましょう!

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――いかがでしたでしょうか?

第1回の掲載を受けて、いろいろなご感想を目にしたりいただいたりしています。本コラムの内容に興味を持っていただいてありがとうございます!

シャッフルについて既に詳しくご存知の方には、内容や基準に曖昧さを感じたりもっと正確に書いてほしいと感じる部分もあったと思います。その点はごもっともで、実際に初稿ではもっと細かく書いていました。ただ、今回は数学的なことは抑えて「まず興味を持って知ってもらおう」ということを重視させていただきました。
いただいたご感想やご意見も踏まえて、最終的な記載や表現を調整させていただこうと考えております。

また、フロアルールを知っている方も知らなかった方の中で、「○○についてそういうことになっているのを知った」とか「自分は○○は当たり前だと思っていたけど、実際は○○はあまり知られてなかったんだ」といったリアクション感じられた方もいらっしゃると思います。このコラムがそういったキッカケに繋がって、フロアルールやそれぞれの項目に対する理解に繋がっていけばと考えております。

第3回では、警告などの罰則の出し方や、「誤った情報を伝えてしまった」などのよくあるケースとして追加する違反の例について紹介したいと思います。 

「はじめまして、フロアルールです。(第2回)」ご覧いただきありがとうございました!

ホリP